2018 年 4 巻 1 号 p. A_294-A_301
日本では,特に地方部において乗合バスが重要な公共交通インフラとなっており,1 件のバス事故が日常生活に大きな影響を及ぼす.しかしながら乗合バス事故の件数は依然として多い.本研究では,新人バス運転手 16 名と指導運転手 7 名の,バス停留所への停車・発車,右左折など,バス乗務中に起きる様々な交通場面を含む公道上での運転行動を計測し,計測データを比較することで,どのような場面においてバス運転手がリスクの高い運転をする傾向にあるのかを調査した.その結果,バス停留所発車時や狭路直進時における,同時に複数の項目を確認しなければならない状況下において,新人運転手群は車内事故や対人事故を防止するために確認すべき項目の確認回数が指導運転手群と比較して有意に少ないことが明らかとなった.