2018 年 4 巻 1 号 p. A_47-A_54
ラウンドアバウトでは,通常の十字交差点と異なり S 字の走行軌跡が生じるため,安全性・円滑性の観点から適切な走行挙動が実現するような幾何構造設計が重要である.しかし我が国では,ラウンドアバウト特有の走行挙動特性と幾何構造の関係性は明らかになっていない.そこで本研究では,異なる幾何構造を有する 7 箇所のラウンドアバウトにおいて,UAV(無人航空機)による走行挙動調査を実施し,幾何構造が走行挙動特性に与える影響について分析した.その結果,流入部の隅角部曲線半径と流出入部交差角度が,車両に加わる横方向加速度に対して重要な要素であることを明らかにした.さらに,過剰に大きい隅角部曲線半径や,流出入部交差角度が 150°より小さい場合,車両に加わる横方向加速度が小さくなり,速度抑制が得られにくい構造であることを示した.