2019 年 5 巻 2 号 p. A_329-A_334
本研究では、抜け道交通対策として愛知県稲沢市下津片町地区において連続的に狭さくが設置された対面通行生活道路を対象に、狭さく整備前と整備後 2 時点における交通流を調査・分析し、特に車両旅行速度の抑制効果ならびにその効果持続性について検討した。その結果、2 ヶ所の狭さくを含む道路区間において、整備前より整備後 2 時点とも旅行速度が低下しており、連続型狭さく設置の一定の効果とその持続が認められた。しかし、整備後の年月の経過により速度抑制効果がやや薄れる可能性があり、その一因として通行車両の狭さくすれ違い時における譲り合い行動の上達が影響していることが把握された。また、短い狭さく間隔を設けても速度抑制効果は局所的であり、各狭さく前後方向の道路条件を踏まえた総合的観点での対策が重要であることが示唆された。