2019 年 5 巻 2 号 p. B_11-B_16
速度差が大きい車両同士による事故の内訳をみると追突事故が占める割合が高い。この理由には、単に追突の危険性が高いという解釈と、追突以外の危険性が低いため相対的に追突事故の割合が高くなるという二通りが考えられる。この点を明らかにするため、車両挙動という観点から速度差と追突事故の危険性の関係を評価した。そこで、高速道路において計測機器を搭載した実験車を走らせ、それを追い越していく一般車の様子を観測するというスタイルの実験を行った。追越車が実験車を追い越すために車線変更をするタイミングに着目し、双方の車両の速度及び車間距離から追突事故の危険性を評価した。 結果は、速度差が大きいと制動距離に対して余裕のある車間距離をとる一方、先行車の挙動を考慮したリスク指標でみると逆に危険性が高い傾向が確認された。