2019 年 5 巻 4 号 p. A_18-A_23
日本の都市高速道路は、償還原則に基づいて対距離課金が行われている。現在では、ETC の普及により、ランプ間に対して多様な料金設定が可能となっている。本研究では、道路網全体の走行時間短縮便益が最大となる都市高速道路の料金パターンを探索する方法を開発する。最適料金パターンは、多様なパラメータの組み合わせで表現され、最適解を見つけるためには膨大な組み合わせの交通量配分の計算が必要となる。そこで本研究では、メタヒューリスティックアルゴリズムの一手法である蟻コロニー最適化を適用する。このアルゴリズムは、蟻の群れから食べ物までの経路を見つける挙動をモデル化したものである。蟻コロニー最適化を適用することで、少ない計算時間で都市高速道路の最適料金パターンが算定できることを示す。