2019 年 5 巻 4 号 p. B_1-B_6
高速道路を逆走したドライバの7割が高齢者であり、その中には軽度認知障害有病者が含まれているため、どのような逆走通知内容が軽度認知障害有病者にとって有効であるかを検討する必要がある。ITS 技術の活用を想定した車内設備からの音声通知と、高速道路に設置する LED 表示板を用いた文字による通知を対象として、どのような通知内容が逆走を知らせるのにふさわしいのか、自分の状況を確認し落ちついて行動できるのかを確認するため評価実験を行った。その結果、音声案内では、現状と指示を与える「逆走の恐れがあります。進行方向を確認してください」が最も良い評価であった。LED 表示板を用いた実験では、逆走を知らせるのに最もふさわしいのは「逆走 もどれ」であり、切り替え表示の評価は低かった。以上から、逆走通知内容は単純で直接的な文言がふさわしいと考えられる。