2020 年 6 巻 2 号 p. A_105-A_112
自動運転技術の導入は,交通事故の削減や渋滞の解消など多岐にわたって交通利便性の向上に資することが期待されている.しかし,一般道での導入の際には,個別移動による送迎車の需要が高まり,従来の駐車場ではなく路上での停車需要が増加し,街路空間に渋滞や遅れが発生する可能性がある.そこで本研究ではミクロ交通シミュレータを用い,自由流と比べて速度低下した時間と旅行速度の値を用いて,定量的なデータに基づく自動運転社会下の街路空間の検討を行った.特に自動運転車の乗降環境に着目し,通行空間や路肩空間などの乗降環境を変化させシナリオ分析を行った.その結果,交通量が少ない街路では路上駐車型の乗降場でも対応できるが,一定以上の交通量のある街路ではバスストップ型の乗降場を整備することが望ましいことがわかった.