交通工学論文集
Online ISSN : 2187-2929
ISSN-L : 2187-2929
特集号A(研究論文)
交通事故の影響による MFD 形状変化分析
吉井 稔雄奥原 瑠依坪田 隆宏
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2021 年 7 巻 2 号 p. A_201-A_206

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抄録

交通事故による通行障害が発生し,その影響が事故発生地点の近傍にとどまらず周辺道路にまで及ぶ場合,ネットワーク規模での道路機能低下が考えられる.そこで本研究では,交通事故がネットワーク規模の道路機能低下に及ぼす影響を明らかにすることを目的とし,愛媛県松山市の道路ネットワークを対象に,事故の発生による Macroscopic Fundamental Diagram(以下,”MFD”)の形状変化を分析する.時間の経過とともに ETC2.0 搭載車両の割合が増加していることを考慮し,ETC2.0 データの単位時間あたり走行台キロと走行台時を1ヶ月平均値で除した値をそれぞれ正規化交通流率,正規化交通密度とし,両状態量を用いてネットワーク交通流状態を規定する.事故の有無に着目して,同交通流状態に折れ線回帰モデルを適用して MFD を推定した結果,事故の有無によって MFD 形状に有意な差が生じていることが明らかとなった.

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© 2021 一般社団法人 交通工学研究会
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