2021 年 7 巻 2 号 p. A_29-A_37
わが国では,自動運転技術を搭載した車両の普及が進み,衝突回避ブレーキや ACC,LKA などのシステムを搭載する車両が急速に増加している.先行研究では,ACC に着目し,ACC 車両の混在により交通の円滑性が向上し,運転者のストレスが軽減されるという知見を得た.本研究では,過度なストレス軽減が漫然状態を誘発する可能性があるという考えのもと,ACC 車両が混在することによる運転者の漫然状態を評価した.その結果,視点移動と反応時間の分析により,ACC 車両が混在する状況では,一般車両運転時であっても漫然状態に陥っていることが確認された.反応時間の計測が容易でない ACC 車両運転時に関しては,瞬目の分析により覚醒水準低下を示すことができた.