2021 年 7 巻 2 号 p. A_38-A_43
現在普及が進むレベル3の自動運転車両では,システムが解除される前に,運転引継ぎの警報を発し,ドライバーはそれに応じる義務がある.よって,解除条件の把握は保安上重要な課題と言える.本研究では,走行実験データを分析することで,車線区画線の状態が,車線逸脱警報システムの検知性能に及ぼす影響を把握し,上述した解除条件の単純化,明確化を試みた.劣化状態を擬似的に再現した車線区画線を設置した試験走路で走行実験を行い,車線区画線の検知可否および,車線区画線と路面の輝度を測定した.輝度と検知結果の分析結果から,車線区画線と路面の輝度差が検知性能に影響を及ぼす要因の一つであり,劣化がある程度進んだ車線区画線では輝度差がある一定値以下になる場合に検知性能が低下する可能性が示唆された.