2021 年 7 巻 2 号 p. A_316-A_325
本研究では,高速道路本線で ACC を用いた運転を行っているドライバの合流車との錯綜を軽減するために,事前の速度調整装置として走行車線中央に埋め込んだ速度誘導灯を提案した.ドライビングシミュレータを用いて 46 名の実験参加者で走行実験を行い,走行記録・主観評価などから速度誘導灯の意図に関する説明の違いがドライバの運転行動に影響を与えることが示された.その中で,速度誘導灯の意図を説明した実験参加者は,合流部のノーズ端の上流で速度誘導灯の指示に合わせた適切な速度調整を選択していた.これによりスムーズな合流となり,ドライバが感じる合流車による主観的な危険度も低くなった.加えて,速度誘導灯を点灯させていない時における本線車のドライバの加減速行動から,速度誘導灯の設置が効果的となる位置を明らかにした.