本研究では、完全自動運転車(AV)が広く普及しシェア型 AV(SAV)サービスが存在する仮想的状況下における自家用 AV の購入行動と交通手段選択について SP 調査を行い、それらをモデル化した。具体的には、回答者の保有する自家用車の利用状況と最頻トリップについての RP データを取得した上で、その RP データの状況に基づく SP 調査を設計・実施した。自家用 AV の購入選択モデルから、SAV のサービス水準よりも自家用 AV のコストといった金銭面と個人の心理的要素が選択に影響を及ぼしていることが示唆された。交通手段選択モデルからは、SAV について、より多くの他人と乗り合うことが想定されるサービスであるほど時間価値は高く不効用が大きいこと、それでも非動力系手段よりは移動時間による不効用が小さいことが明らかとなった。