高速道路の規制速度引き上げが試行されたことで、車両挙動が変化したかを検証する一環として、追い越し時における追突事故の危険性を比較した。規制速度の引き上げ試行区間となった新東名高速道路において、観測車を走らせそれを追い越していく一般車の様子を観測するという調査を実施し、追い越しにより車線変更するタイミングでの相対速度と車間距離から求めた追突事故のリスク指標の特徴を分析した。調査は 120km/h 規制の試行中に実施し、各リスク指標は規制速度に関わらず速度差の影響を受けることを確認した。また、これまでに実施した引き上げ試行前、110km/h 規制中の結果と比較したところ、規制速度 120km/h において追突リスクの有意な上昇が確認されたが、効果量は小さく規制速度引き上げによる影響は少ないと考えられた。