2022 年 8 巻 2 号 p. A_281-A_290
人々にとって身近な移動手段である路線バスは誰にでも使いやすいものであることが望まれる。しかし多くの場合、基本的な情報が利用者にわかりやすい形で提供されておらず、そのため乗る際の心理的抵抗が大きいと指摘されるような状況にある。そこで本研究では、バス利用に関わる案内の中でも路線図に着目し、バス停数やフォントサイズ等のバス路線図の構成要素とその水準がバス路線図のわかりやすさに及ぼす影響を明らかにした。これらの水準の異なるバス路線図を作成しそれを用いた実験を行った結果、わかりやすさに最も影響を及ぼす要因はバス停数であり、次いで文字の大きさであった。そして、86 箇所以上のバス停の表記がある路線図では、わかりやすいバス路線図のためにエリア版を作成することが望ましいことを明らかにしている。