交通工学論文集
Online ISSN : 2187-2929
ISSN-L : 2187-2929
特集号A(研究論文)
高速道路の事故多発 S 字曲線区間における車両走行挙動と道路線形の関係分析
赤羽 弘和坂田 裕彦畔田 雅裕南部 繁樹鶴田 翔太清水 佑馬
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2022 年 8 巻 2 号 p. A_291-A_299

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抄録

本研究では、高速道路の事故多発 S 字曲線区間を対象として複数の被験者による定速走行調査を実施した。同区間前半の右カーブ区間は、緩和曲線~円曲線~緩和曲線~円曲線~緩和曲線で構成されている。いずれの被験者走行でも、第 1 円曲線の終端部から、ステアリング操作角の増加にも関わらず横加速度が増大しておらず、アンダーステア的状態に陥っている推定され、GPS 測位による走行軌跡とも整合した。これは、曲率の不連続な再増大が、端緒であると想定される。さらに、複数カメラによる動画像データから一般車両の走行状況を推定したところ、たとえば同区間を推定速度 125km/h で走行した場合の横加速度は 2.5m/s2 程度と推定され、路面湿潤時の限界に近く、アンダーステア的状態と相まって制御不能状態に陥り易い可能性がある。

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© 2022 一般社団法人 交通工学研究会
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