交通工学論文集
Online ISSN : 2187-2929
ISSN-L : 2187-2929
特集号B(実務論文)
坂路における電動アシスト自転車関与事故の分析
萩田 賢司
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2022 年 8 巻 4 号 p. B_1-B_9

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抄録

交通事故統計では、縦断勾配が概ね 3%以上を坂路と定義している。本研究では、交通事故統計を活用して自転車走行道路の縦断勾配を推定し、自転車を電動アシスト自転車とその他の自転車に分類したうえで、様々な条件ごとに、自転車事故の縦断勾配別割合を比較した。その結果、電動アシスト自転車は、その他の自転車と比較すると、特に第 1 当事者で下りの構成割合が高く、下りで自転車事故を起こしやすいことが想定された。電動アシスト自転車は、第 1 当事者が若年者や男性、単路部や車道幅員が 5.5~13.0m の道路では、下りの構成割合が高い。下りでは電動アシスト自転車は高速で走行しやすいために、このような現象が起きていることも考えられる。自転車が第 2 当事者の場合、走行道路の縦断勾配を推定できないことが多く、今後の検討が必要である。

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© 2022 一般社団法人 交通工学研究会
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