2023 年 9 巻 2 号 p. A_238-A_245
開発途上国では、経済発展に伴う市街地の急速な拡大が進んでおり、交通渋滞など様々な都市問題が発生している。諸問題に対処するため、適切な交通需要予測をもとにした円滑な都市計画策定が急務であるが、既存のパーソントリップ調査を高頻度・高精度で実施することは難しく、それを補完・代替する調査として、GPSプローブデータの利用が注目されている。本研究では、GPSデータを用いた交通需要予測手法を提案することを目指し、カンボジア・プノンペンにおいて、市販のデータからトリップの抽出、移動目的、移動モードの推定を行った。また、既存の調査との比較やデータの分析を通じてGPSデータの特性、推定における課題などをまとめ、既存調査の補完・代替可能性を検証した。