本研究は、近年増加・多様化している貨客混載事業に関し、事業目的や関係事業者の構成、事業の諸特性を、オンラインでの情報収集と事業者問い合わせにより把握・分析したものである。この結果、1)2017年の道路運送法の規制見直しにより事業が増加し、事業目的や利用交通手段の多様化が進んだこと、2)事業目的は物流効率化と公共交通維持が多く、過疎地域が関わる事業ではその傾向がより顕著であること、3)自治体が関与する事業は限定的であること、4)宅配大手3社が実施する事業の特性も概ね全体的な特性傾向と同じであるが過疎地域に関わる事業がより多いこと、5)過疎地域で物流効率化・公共交通維持を目的とした大手3社の事業では、路線長20~40kmで1日5~12便ダイヤのなかで片道1便のみのものが多くを占めること等が明らかになった。