筆者らは、1 リンク 2 交差点の単純な系統制御における最小遅れ時間とこれを与えるオフセットを既に定式化した。本論文はこれを拡張し、15 交差点で構成される路線を直進車両のみが走行する場合について系統制御を考察する。クリティカル交差点を起点に系統効果の低い位置に存在する基軸交差点を提案し、路線を基軸交差点だけで再構築した各リンクに対して最小遅れ時間の理論式を適用して得られる路線の(基軸理論最小)遅れ時間を、路線で実現可能な下限値とすることを提案する。路線をクリティカル交差点で分割して一方向優先オフセットを組合せて実現できる(優先適用)遅れ時間を考えると、路線全体で実現可能な最小遅れ時間は、基軸理論最小遅れ時間と優先適用遅れ時間との間に存在し、この最小値を与えるオフセットパタンが多数有ることを示す。