2023 年 9 巻 3 号 p. 37-46
2020年に国土交通省により公表された道路ビジョンでは2040年に目指す道路像として「安全性や快適性が確保された歩車共存の生活道路」が挙げられている。また、近年自動運転車両の開発研究が盛んに行われていることから、今後、歩行者と自動運転車両がすれ違う場面が増加することが考えられる。自動運転車両が普及するためには、歩行者とすれ違う場面において、乗車中の人が安心して乗車できることが重要であると言える。そこで本研究では、歩車がすれ違う場面に着目し、自動車のどのような挙動がドライバーに不安感を与えるのかを調査し、不安感が発生する際の速度と歩車間距離を定量的に示した。さらに、減速挙動のうち、減速度と最終速度に着目し、不安感に与える影響を明らかにした。