2023 年 9 巻 3 号 p. 47-60
企業の自己判断でリモートワークの継続・縮小・取りやめを選択しやすくなったコロナ禍第6波時点に着目し、本研究は、東京都心3区のオフィスワーカーの働き方と通勤形態の特徴を明らかにすること、コロナ禍収束後に向けた同ワーカーの通勤形態に関する意向およびその通勤圏に立地する企業の総務・人事担当者の方針から、ピーク時通勤を望まないワーカー層の意向の実現における課題を提示すること、これらを総括して通勤形態の変化の定着可能性を明らかにすること、を目的とした。企業の働き方施策の実態とそれらに対するワーカーの満足度に基づく分析結果から、意向が全て実現すればオフィスワーカーのピーク時の鉄道通勤が従来の52-73%で定着しうること、既存の働き方施策推進のみでは10時以降のオフピーク時移動量の増加に至らないことを明らかにした。