抄録
83歳の男性が軽度の意識障害と右片麻痺を突然発症し搬入された.来院時に症状は軽減していたが,脳血管造影上,大きな壁在血栓が付着する右内頸動脈起始部高度狭窄が診断された.早い時期に頸動脈閉塞や動脈原性塞栓症を起こす可能性が高かったため,予防目的で脳梗塞急性期(第3病日)に緊急頸動脈血行再建術を施行した.病変の近位側である右総頸動脈を遮断し,病変を拡張後に末梢側にフィルター型の塞栓保護カテーテルを挿入する技術を用い,ステントを留置して右内頸動脈狭窄を拡張するとともに血栓を回収することに成功した.症状が進行することなく良好な臨床転帰を得ることができた.