脳卒中
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原著
新しい動脈硬化指数の有用性—頸動脈病変と脳梗塞のリスクに寄与する因子の検討—
植松 大輔
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2008 年 30 巻 4 号 p. 562-569

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抄録
背景および目的:動脈硬化の高リスク患者の脳虚血病変をスクリーニングする簡便法があれば有用である.本研究では動脈硬化指数(AI)を年齢・危険因子数で補正した新しい動脈硬化指数(RAI)を用いて頸動脈病変や脳梗塞の既往に対する寄与度を検討した.
方法:高コレステロール血症患者56例を対象にRAIを求め,頸動脈病変の有無,脳梗塞の有無および病型に対するRAIの寄与度を検討した.
結果:頸動脈病変や脳梗塞の有無によってAIには差は認められなかったが,RAIは病変や脳梗塞があると増加した.RAIの頸動脈病変の有無に関する寄与度(オッズ比)は有意に大きく.脳梗塞の有無に関しては有意傾向が認められた.アトルバスタチン投与により,血清コレステロール値およびRAIは有意に低下したが,さらに積極的な危険因子の管理が必要であると考えられた.
結論:AIを年齢・危険因子数で補正したRAIは,脳虚血病変のリスクスクリーニングのための関連因子として有用である可能性が示唆された.
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© 2008 日本脳卒中学会
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