脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726
原著
rt-PA静注禁忌例・重症脳梗塞例に対する緊急脳血管内血行再建術
今井 啓輔濱中 正嗣牧野 雅弘竹上 徹郎武澤 秀理巨島 文子小田 健一郎丸山 大輔梅澤 邦彦濱崎 公順
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 30 巻 4 号 p. 570-576

詳細
抄録

【背景及び目的】rt-PA静注(IVtPA)禁忌例・重症例に対する緊急脳血管内血行再建術(ENER)の有用性を検討した.【方法】脳梗塞連続301例中,ENER(ENER群)とIVtPA(IVtPA群)を施行した例にて,治療前NIHSSスコア中央値(B-NIH),直後の再開通例(RE),24時間後のNIHSSスコア改善例(G-24NIH),症候性頭蓋内出血例(sICH),3カ月後のmRS良好例(G-3mRS)を比較した.【結果】ENER群(11例)とIVtPA群(13例)にて,B-NIHは20点,16点(p<0.05),REは9例と5例であった(p<0.05).G-24NIHは7例,5例,sICHは0例,1例,G-3mRSは4例,6例であり,各項目で有意差はなかった.【結論】IVtPA禁忌例・重症例に対するENERは,少数例ではIVtPAと同程度に有用であり,今後,多数例での検討が必要である.

著者関連情報
© 2008 日本脳卒中学会
前の記事 次の記事
feedback
Top