脳卒中
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原著
経皮的電気神経刺激は閉じ込め症候群における四肢運動機能回復を促進する
佐藤 岳史齊木 雅章山田 茂樹八木 美雪美馬 達哉
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2009 年 31 巻 4 号 p. 211-216

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抄録
経皮的電気神経刺激(TENS)を脳底動脈閉塞症による閉じ込め症候群3例に施行し,早期の四肢運動機能改善を経験したため報告する.TENSは,100 Hzの頻度で8∼10 mAの刺激を両側手関節部正中神経に施行した.症例1:脳底動脈閉塞により小脳・脳幹梗塞をきたし,閉じ込め症候群となった.理学療法開始後1週間でも四肢運動機能の改善なくTENSを併用した.開始日に両上肢の自発運動が出現した.症例2:脳底動脈閉塞により閉じ込め症候群となり,理学療法開始と同時にTENSを併用した.3日後には上肢の自発運動が可能となり,従命にも応ずるようになった.症例3:脳底動脈閉塞により脳幹梗塞を来たし閉じ込め症候群となった.理学療法開始後3日でも四肢の運動を認めず,TENSを併用したところ,その日に左上肢の自発運動が出現した.TENSは理学療法と併用することで,閉じ込め症候群における運動機能の改善を促す可能性がある.
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© 2009 日本脳卒中学会
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