脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726
症例報告
椎骨動脈の窓形成が原因と考えられた若年脳幹梗塞の1例
山本 良央小山 主夫黒川 隆史黒岩 義之
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 32 巻 2 号 p. 174-178

詳細
抄録
症例は30歳,男性.特記すべき既往歴や家族歴はない.某日夜から朝にかけて大量に飲酒,仮眠を取った後,頭痛および左口唇周囲のしびれ感を自覚,左片麻痺を発症した.頭部MRIにて右中脳腹側に脳梗塞を認め脳幹梗塞と診断した.MRAでは特記すべき異常を認めなかった.脳梗塞の原因検索を行ったが,血管炎,凝固異常,心原性塞栓や奇異性塞栓を示唆する所見はなかった.脳血管撮影で,右椎骨動脈に窓形成を認め,脳梗塞の原因は窓形成部からの塞栓症と考えた.窓形成による脳梗塞の報告は少ないが,原因の特定できない脳梗塞では脳血管撮影まで含めた精査が必要なことが示唆された.
著者関連情報
© 2010 日本脳卒中学会
前の記事 次の記事
feedback
Top