脳卒中
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症例報告
rt-PA静注後に小脳の異所性脳出血をきたした超高齢脳梗塞の1例
武澤 秀理今井 啓輔濱中 正嗣牧野 雅弘丸山 大輔東 裕美子巨島 文子小田 健一郎
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2010 年 32 巻 4 号 p. 379-383

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抄録
症例は95歳女性.突然,意識レベル低下と左半身の脱力が出現.発症30分で搬入.意識障害,病態失認,構音障害,左不全片麻痺をみとめた.頭部CTは陳旧性脳梗塞以外に異常なかった.超高齢であったが,CT所見を含めて適応基準を満たしたため,発症70分でrt-PA静注を開始した.神経徴候は改善し,終了直後のMRI拡散強調画像では右頭頂葉深部白質に限局した梗塞巣をみとめた.しかし,静注開始15時間後より頭痛と嘔吐が出現し,頭部CTで小脳半球の両側に出血をみとめた.非交通性水頭症に対する穿頭ドレナージ術を実施したが,第52病日に心不全で死亡した.rt-PA静注療法中に梗塞巣とは別の離れた脳実質に出血をきたす病態は異所性脳出血として知られている.頻度の少ない合併症ではあるが,重篤な経過をとることから,特に超高齢者の治療にあたっては念頭に置く必要がある.
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© 2010 日本脳卒中学会
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