脳卒中
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原著
検証可能なtPA静注療法の病院前連携 ~川崎脳卒中ネットワーク(KSN)のコンセプトと成果~
長谷川 泰弘茂野 卓岩井 良成鈴木 一成野崎 博之中山 比登志高橋 弘方波見 剛植田 敏浩佐々木 直小野 元熊井 潤一太組 一朗林 裕二
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2010 年 32 巻 6 号 p. 641-646

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抄録
【目的】tPA静注療法を念頭に置いた病院前トリアージとバイパス搬送を確立し,その効果の検証を試みた.【対象と方法】神奈川県川崎市では,脳卒中トリアージにシンシナティスケールを改編したスケール(MPSS)を用い,この点数に基づいたバイパス搬送を行い,搬送,診断,治療のデータをtPA静注療法施行病院と市消防署が共有して,半期ごとに検証作業を継続する体制を整えた.【結果】174例が2009年度上半期にMPSSトリアージ搬送を受け,145件(83.3%)が市内のtPA施行施設にバイパス搬送され,21例(12.1%)は市外へ搬送された.36例(23.8%)にtPA静注療法が施行され,tPA施行例の病着-静注時間は前年同期と有意差はなかったが,発症-静注時間は平均10分以上短縮した.退院時modified Rankin scale <2の率は42.9%であった.【結論】医療圏全体の評価にかかわる臨床指標の取得は可能であり,検証可能な連携医療の構築を進めることは,脳卒中医療の持続的な改善と均霑化に資するものと思われた.
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© 2010 日本脳卒中学会
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