抄録
要旨:症例は63歳女性.1週間前から頭痛と言語障害があり当科を受診した.初診時言語表出が低下しており,錯語が著明であった.頭部CTで左側頭頭頂葉皮質下出血を認め同日入院となった.頭部MRIでは出血の原因となる病変は確認できなかった.脳血管撮影で左後側頭動脈の末梢枝からnidusを介すことなく脳表の静脈への動静脈短絡を認めた.Pial arteriovenous fistula(pial AVF)を原因とする皮質下出血と診断した.開頭術を行いすべての動静脈シャントを離断し,血腫を除去した.術後新たな神経症状の出現はなく,言語障害は改善した.Pial AVFは出血発症例に対して保存的治療を行った場合予後が悪いとされているが,適切な治療を行えば再発を予防しうる疾患である.皮質下出血の患者においてはpial AVFも鑑別診断にいれ出血原因の検索を行うべきであると考えられた.