抄録
要旨:症例は糖尿病を合併した67歳,男性.脳梗塞発症後より留置カテーテル管理を受け,第14病日にカテーテルを抜去した後,尿閉となり尿路感染症を併発した.間欠的導尿を経て自排尿が可能となるも,第34病日に無症候性肉眼的血尿が出現した.腹部CTで膀胱壁全周に気腫性変化を認め,気腫性膀胱炎の診断で泌尿器科へ緊急転院し,膀胱ドレナージと抗生剤投与により症状の改善を得た.気腫性膀胱炎は排尿障害を伴う尿路感染症を背景とし,糖尿病患者に好発する.脳卒中後は神経因性膀胱による排尿障害を生じやすく,いずれの病期でも症状に応じた適切な排尿ケアを徹底する必要があり,特に糖尿病を合併した脳卒中患者の排尿障害では,本症も含めた尿路感染のリスクを考慮することが重要である.また,脳卒中診療に従事する医師が患者の排尿症状に対してより一層の関心を持ち,泌尿器科医とも連携しながら,QOLを見据えた治療方針を検討することが望ましい.