脳卒中
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原著
大阪市湾岸地域の基幹病院における経静脈血栓溶解療法
仁木 均松崎 丞奥田 佳延吉田 智子邉見 名見子杉山 慎太郎大岡 洋子岩佐 直毅白石 翔一木村 紀久隅蔵 大幸高田 和城黒田 百合河野 悌司山寺 みさき岡崎 知子住岡 真也柳川 伸子小川 竜介多根 一之柳原 武彦
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2014 年 36 巻 4 号 p. 255-259

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抄録

要旨:【目的】大都市における急性虚血性脳卒中に対する経静脈血栓溶解療法(tPA 療法)の現状を評価する.【方法】tPA 療法が認可された2005 年10 月11 日から2010 年10 月10 日の5 年間に大阪市湾岸地域の基幹病院である当院でtPA 療法を施行した全症例につき,背景因子・病型・転帰を検討した.大都市の特徴を考察するため,当院地域居住症例と地域外症例に分け比較検討した.【結果】対象は105 例(年齢69.2±14.4 歳)で全虚血性脳血管障害の7.0%であり,地域住民数と比較したtPA 施行率は0.0088%であった.地域外症例に若年者が多く(P=0.0011),解離を疑う症例(7 例/46 例)が多かった.一方,地域居住症例には塞栓症が多かった.【結論】地域住民数と比較したtPA 療法施行率は比較的高く,大都市の特徴と考えられた.地域居住者と地域外症例の差は,大都市への日中の流入人口などの要因があると思われた.

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© 2014 日本脳卒中学会
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