脳卒中
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原著
Telestroke Network 導入の潜在需要と導入の課題-静岡県におけるアンケート調査から
伊佐早 健司櫻井 謙三加藤 貴之今井 健徳山 承明吉江 智秀清水 眞内野 賢治赤松 真志秋山 久尚長谷川 泰弘
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2015 年 37 巻 2 号 p. 83-88

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抄録

要旨:【目的】静岡県を対象に,脳卒中急性期医療を担う施設の充足度を明らかにし,本邦におけるtelestroke 導入の潜在需要と導入の課題を検討する.【方法】県が公表している脳卒中医療を担う医療機関(S 群)34 施設と,それ以外の救急受入れ施設(NS 群)25 施設を対象に,地理情報システム(GIS)解析により60 分以内搬送可能圏域を可視化した.アンケート調査により各施設のtelestroke 支援必要日数,telestroke 導入の前提として解決すべき問題点を調査した.【結果】S 群,NS 群の施設に60 分以内に到達不能な地域に居住する人口は各々2.1%と4.5%であった.S 群,NS 群ともにtelestroke 支援を要すると回答した施設が存在し,導入には外科治療適応疾患への対応の整備の必要性を上げるものが24%と多く,法的責任を上げるものは15%であった.【結論】脳卒中対応施設を含めてtelestroke 導入の潜在需要は存在し,GIS 解析によるtPA 静注不能地域の可視化により,地域の特性に応じたtelestroke 導入の効果予測が可能と思われた.

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© 2015 日本脳卒中学会
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