2017 年 39 巻 4 号 p. 309-313
【症例】38 歳,女性.脳室内出血発症,Spetzler Martin grade 4 のparasplenial 脳動静脈奇形と診断された.血管内塞栓術後にガンマナイフ治療を施行後,1 年7 カ月で2 回目の脳室内出血を来した.その3 カ月後の脳血管撮影で,nidus 内動脈瘤が明らかに描出され,造影MRI でnidus 内動脈瘤壁の造影を認めた.2 回目の出血から5 カ月後にさらに3 回目の脳室内出血を発症し,最終的に開頭摘出術を施行した.【結語】動脈瘤合併脳動静脈奇形の出血率は,動脈瘤非合併例よりも高率である.脳室内に突出するnidus 内動脈瘤を合併するparasplenial 脳動静脈奇形では血管内治療と放射線治療後にnidus の縮小効果を認めるも,脳室内へ再出血するリスクが高い.造影MRI は脳室内に突出する動脈瘤を評価することができ,頻繁な画像検査による厳重な経過観察が必要である.