2018 年 40 巻 3 号 p. 179-184
症例1 は頭痛で発症した43 歳男性.来院時にくも膜下出血(SAH)を認めたが,頭部MRAおよび脳血管撮影(DSA)において左椎骨動脈(VA)が途絶していているほかに出血源となる病変がみられなかった.翌日に再検した頭部MRA で左VA が描出され,DSA では同部位の不整な紡錘状拡張を認めた.出血源である解離性椎骨動脈瘤(VADA)が閉塞後に再開通したと判断し,母血管閉塞を行った.症例2 は63 歳男性.2 日前からの頭痛が増悪,頭部CT でSAH を認めた.来院時の頭部MRA では右VA が途絶していたが,7 時間後に再検した頭部MRA では右VA が描出された.DSAでは同部位の動脈瘤様拡張を認め,VA の開頭trapping 術を行った.出血発症のVADA において初診時は母血管が閉塞していた場合でも,発症当日を含めた数日内に再開通する可能性があるため,繰り返し画像評価を行うことが必要であると考えられた.