脳卒中
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症例報告
解離部からY 字型に分岐する前脊髄動脈を温存し internal trapping を行った破裂椎骨動脈解離の1 例
加藤 宏一比嘉 隆中野 紘野村 俊介中川 将徳門山 茂氏家 弘寺本 明
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2018 年 40 巻 3 号 p. 185-189

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抄録

出血発症の椎骨動脈解離(vertebral artery dissection: VAD)において,前脊髄動脈(anterior spinal artery: ASA)が解離側VA から2 本分岐しY 字型にfusion している症例を経験したので報告する.症例は43 歳男性.くも膜下出血(subarachnoid hemorrhage: SAH)で発症した破裂VAD で,解離部から1本,解離部より末梢の正常部位から1 本ASA が分岐し,fusion 後に下行していた.マイクロカテーテルを3 本使用しASA を温存しVAD のinternal trapping を行った.片側VA から2 本のASA が分岐しfusion するタイプの血管走行は今まで報告がなく本症例が初めてである.ASA の起始部にはvariationがあり,VA union 近くの塞栓術では脳幹への穿通枝とともにASA 分岐の詳細な観察が必要である.

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© 2018 日本脳卒中学会
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