脳卒中
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症例報告
頸動脈ステント留置1 カ月後に症候性ステント内狭窄を認めた放射線誘発性内頸動脈狭窄症の1 例
田中 慎吾東馬 康郎吉川 陽文木多 眞也
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2018 年 40 巻 5 号 p. 362-366

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抄録

症例は73 歳,男性.右下顎癌に治療13 年後に発症した放射線誘発性右内頸動脈狭窄症に対し頸動脈ステント留置術(carotid artery stenting: CAS)を施行した.術後問題なく退院したが1 カ月後に左片麻痺,構音障害を発症し救急搬送となった.精査の結果,右多発性梗塞を認めその原因としてステント内再狭窄を認めた.抗血小板薬を2 剤から3 剤へ増加し,ステント内ステント留置術を施行した.頸動脈エコーおよび術中血管内エコーから狭窄の原因はステント内血栓形成と判断した.CAS 後のステント内血栓形成は主に急性期に認められる合併症であるが,本例のような放射線誘発性頸動脈狭窄では遅発性に発症する可能性があり,注意を要すると考えられた.

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© 2018 日本脳卒中学会
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