2020 年 42 巻 1 号 p. 8-13
要旨:【背景・目的】日本人REACH 登録研究で,狭窄率70%以上の無症候性内頸動脈狭窄(ACAS(≥70%))と足関節上腕動脈血圧比(ABI)<0.9 が,1 年後の脳卒中の発症要因だった.病院受診者のACAS(≥70%)の検出率向上を目的とした.【方法】2014~2017 年にABI 測定と頸動脈超音波検査(US)を施行した1096 人を対象とし,ACAS(≥70%)はUS とMRA で確定した.統計解析でACAS(≥70%)の予測因子を特定し,これとABI 値を組み合わせて検出モデルを作成した.【結果】1096 人中ACAS(≥70%)は39 人で,虚血性血管病既往のみが独立した予測因子であった.ABI 1.0 未満の患者がACAS 群で有意に多いことから,これら2 項目で絞り込むと,ACAS(≥70%)の検出率が3.6%から9.2%に上昇した.【結語】二段階スクリーニングで,ACAS(≥70%)の検出率が向上する.