脳卒中
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症例報告
治療中に別のshunted pouchを同定した横静脈洞S状静脈洞接合部硬膜動静脈瘻の1例
日野 宇太郎片山 正輝井上 賢久保 創菅 貞郎
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2021 年 43 巻 1 号 p. 63-67

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抄録

要旨:【目的】治療中に別のshunted pouchの存在が明らかになり,その同定に各流入動脈からの選択的血管撮影が有用であった1例を報告する.【症例】72歳男性.脳梗塞後の経過観察目的の頭部MRA で硬膜動静脈瘻を認め経静脈的塞栓術を行った.術前血管撮影では左横・S状静脈洞接合部付近に複数のshunted pouchを認めていた.左後頭動脈と左椎骨動脈に撮影用カテーテルを留置し,術前に同定したshunted pouchおよび静脈洞を塞栓したところ,新たに別のshunted pouchを同定した.これを塞栓することでシャントは消失した.【結論】異なる流入血管の選択的撮影を正確に比較することは,複数の異なるshunted pouchの同定に有用である.

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© 2021 日本脳卒中学会
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