2026 年 48 巻 2 号 p. 78-83
23歳女性.19歳時にくも膜下出血を発症し,精査にて先天性フィブリノゲン(fibrinogen: Fbg)機能異常症と診断された.脳動脈瘤は指摘されず血液凝固障害による出血と考えられた.今回,頭痛を主訴に受診し,頭部MRIにて以前には指摘されなかった最大径5 mmの左IC-PC分岐部動脈瘤を認めた.破裂の危険性が高く待機的にコイル塞栓術を施行した.術前の血中Fbg値は52 mg/dlであった.手術4日前よりFbg製剤の投与を行い,血中Fbg値が100 mg/dl以上への上昇を確認後,手術3日前より抗血小板薬の内服を開始し合併症なく塞栓術を終了した.術後8日目に抗血小板薬の内服を終了し,術後11日目にmRS 0で自宅退院した.先天性Fbg機能異常症に未破裂脳動脈瘤を合併した症例にFbg製剤の補充を行ったうえで抗血小板薬を併用することで,合併症なく治療を行うことができた.