脳卒中
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Aplastic or twig-like middle cerebral artery の破格側副血行路起始部(A1)に発生した破裂脳動脈瘤の1 例
福田 雄高松永 裕希平山 航輔吉村 正太杣川 知香佐藤 慧日宇 健小野 智憲牛島 隆二郎高畠 英昭戸田 啓介堤 圭介
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論文ID: 10506

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抄録

症例は60 歳女性.無症候性右中大脳動脈狭窄症として他施設で経過観察中,頭痛/意識障害で発症した.CT で右前頭葉脳内血腫を伴うくも膜下出血(SAH)を認め,CTA/DSA ではM1 が描出されず,A1 より分岐後M1 欠損部を迂回し網状血管塊を介してM2 へ連続する側副血行がみられた.起始部に破裂瘤を認めコイル塞栓した.網状側副血行路を伴う特発性中大脳動脈閉塞症は,近年発生異常に伴う原始血管系の遺残(twig-like MCA)と考えられている.最近その1 亜型として,A1/A2 からM1 部を迂回し末梢へ至る破格側副血行路内に網状血管が遺残するtype が提示された.本例もこれに相当する構造と思われる.起始部に発生したA1 動脈瘤6 例はすべて5 mm 以下であるが,5 例はSAH で発症している.血行動態的/構造的な脆弱性が示唆されており,本type の瘤は小型でも積極的治療適応に入る可能性がある.

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© 2017 日本脳卒中学会
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