脳卒中
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一地域病院における高血圧性脳出血の統計学的観察および血腫完成に関する臨床的検討
大野 喜久郎鈴木 龍太門間 誠仁松島 善治稲葉 穰
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1988 年 10 巻 2 号 p. 118-123

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抄録

高血圧性脳出血症例の血腫完成までの時間や血腫の増大あるいは止血の過程に関してはあまり知られておらず, 発症後数時間以内の急性期症例における小血腫がどのような運命を辿るかなどをその時点で判定することは難しい.われわれは, 自験220症例に基づき血腫完成時期を検討し, また統計学的に考察した.年間発症率は人口10万対42であり, 月別発症率では春と晩秋に多かった.脳梗塞や脳出血の既往をもつ人はそうでない人に比べ脳出血発生のリスクが高いと考えられた.血腫増大の有無を経時的に検索した74例では, 不変63例, 軽度増大7例, 著明な増大は4例のみであり, 後者の11増大例中9例は発症後1時間以内に検索し得た症例で, 他の2例も2時間以内の症例であった.また26劇症型重症例中19例では1時間以内に検索され, 巨大な血腫が見られた.この結果から, 血腫完成は2時間以内, 大多数では1時間以内に起こると推定された.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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