1988 年 10 巻 3 号 p. 253-258
Duplex超音波検査により診断され, percutaneous transluminal angioplasty (PTA) にて治療されたsubclavian steal syndrome (SSS) の症例を報告した.本症例は, 初回PTA施行後, 左鎖骨下動脈近位部再狭窄によりSSSを再発した.その間の左椎骨動脈の血流が減少し, さらに逆流してSSSとなる様子をDuplex超音波検査により継時的に観察することができた.そして, その所見をもとにPTAを再施行してSSSを治療することができた.
SSSの診断において, Duplex超音波検査は全く無侵襲な検査法であり, 100%診断が可能で, 繰り返し施行でき, 極めて有用な方法であると考えられた.また, 鎖骨下動脈狭窄病変によるSSSにおいては, PTAによる治療が適応であると考えられた.