抄録
症例は41歳のSLEの女性で, 1985年1月2日に脳卒中発作あり, 頭部CTで右脳内血腫と脳室穿破が認められ, 脳血管撮影でmoyamoya病類似の右側中大脳動脈の狭窄, 異常血管網と豊富な側副血行路の形成が認められた.また, kaolin clotting time, tissue thromboplastininhibition testなどからlupus anticoagulant (LA) が患者血漿中に証明された.本患者におけるMoyamoya現象ともいいうる異常脳血行動態の発生にLAの関与したことが文献などから推定された.