脳卒中
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くも膜下出血を呈した小脳血管芽細胞腫の1例
伊藤 誠康桜井 芳明新妻 博嘉山 孝正鈴木 博義
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1992 年 14 巻 4 号 p. 423-429

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抄録

くも膜下出血を呈した稀な血管芽細胞腫の1例を経験したので報告した.症例は45歳の男性で, 突然の激しい後頭部痛にて発症し, CTにて後頭蓋窩のくも膜下出血と, 小脳半球に壁在結節を伴う嚢胞を認め, また同時に第4脳室の圧排変形と水頭症も呈していた.さらに, 血管撮影にて壁在結節の部位に一致した腫瘍陰影, 及びdraining veinの早期出現が観察された.発症22病日に腫瘍全摘術が行われ, xanthochromicな脳表から発症時のくも膜下出血が確認された.組織診断は血管芽細胞腫であった.小脳皮質近傍の腫瘍辺縁部には, 壁が薄く拡張した小静脈がくも膜下出血部に接して存在していた.脳腫瘍からの出血機序として様々なものが報告されているが, 本症例では上述の様な血管が, 長時間に渡る頭蓋内圧亢進によりさらに脆弱化し, 頭蓋内圧亢進症状に対応した血圧上昇等を契機に破綻してくも膜下出血を呈したものと推定される.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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