抄録
白血病患者における頭蓋内出血例は, 一般に予後不良と考えられている.今回, われわれは, 北里大学病院に, 1979年4月から1993年9月までの14年間に入院した白血病患者601例中, 頭蓋内出血を併発した32例 (年齢7歳から84歳, 平均45.8±22.5歳 (SD)) について検討した.白血病患者における頭蓋内出血併発率は5.3%であり, 多発性脳内出血例が多く, 死亡率は87.5%に達し, 予後は極めて不良であった.また, 脳内出血とくも膜下出血, 脳内出血と硬膜下出血などの合併出血例 (12.5%) も少なくなかった.発症時の主要症候は, 頭痛, 意識障害などであり, 脳局所症候を欠くものが多かった.頭蓋内出血を併発した白血病の病型は, 急性骨髄性白血病が多いが, 病型別に頭蓋内出血併発率をみると, 急性と慢性白血病との間に差を認めず, 骨髄性とリンパ性の比較では骨髄性白血病の頻度が高かった.また, 類縁疾患においても頭蓋内出血の併発頻度は決して少なくないと考えられた.確定診断時における検査成績を生存群と死亡群で比較すると, 末梢血中の白血球数では差は認められなかったが, 血小板数は死亡群で, より減少の傾向がみられ, 生命予後との関連がある程度まで示唆された.