脳卒中
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ビンスワンガー病における頭蓋-外頸動脈および下肢動脈の超音波所見
岩本 俊彦木内 章裕馬原 孝彦久保 秀樹高崎 優
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1995 年 17 巻 5 号 p. 457-465

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抄録

臨床的にビンスワンガー病 (B病) と診断された21例の頭蓋外-頸動脈病変, 下肢動脈病変を各々7.5MHz B-mode超音波断層法, Ankle Pressure Index (API) を用いて検索した.対照には穿通枝領域梗塞67例 (P群), 皮質枝領域梗塞52例 (C群) および頭部CT所見が正常の70例 (N群) を用いた.B病群は高齢 (平均79.9歳) で, 高血圧例が多く, その86%に頸動脈病変 (閉塞2例, plaqueのみ16例) が認められた.特に病変は両側頸動脈に高率 (71%) にみられ, その頻度はP群 (28%), C群 (44%) およびN群 (23%) より有意に高かった.特にplaque (P.) は高さと長さの比からmural P.とnodular P.に分類すると, B病ではnodularP.が高頻度 (0.5対頸動脈本数) にみられた (P群0.25, C群0.21, N群0.19).またAPI低値 (0.9未満) もB病の43%にみられ (P群36%, C群35%, N群20%), B病では動脈硬化が広範に進展している病態が示された.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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