脳卒中
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MRIで確認された頭蓋内椎骨動脈解離の1例
堂坂 朗弘橋本 洋一郎木村 和美内野 誠安藤 正幸
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1996 年 18 巻 1 号 p. 56-59

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抄録
症例は41歳男性.気分不良, 左後頭部痛, 左顔面のしびれ感, 右片麻痺で発症し, 3病日の当院入院時には左延髄外側症候群を呈し, 左椎骨動脈の動脈解離が疑われた.入院当日に施行した神経超音波検査では左椎骨動脈が後下小脳動脈分岐後の閉塞パターンを呈した.脳血管造影では, 左椎骨動脈の後下小脳動脈分岐前の狭窄, 分岐後の閉塞を認め, 動脈解離が疑われた.17病日の頭部MRIのT2強調画像で左椎骨動脈に隔壁を認めた.隔壁を認めたスライスでの椎骨動脈のMRI所見として隔壁で分割された半側が17病日, 41病日, 81病日にT2強調画像で等信号に近い低信号→高信号→低信号, T1強調画像で高信号→高信号→等信号から低信号と経時的に変化しintramural hematomaと考えられ, 頭蓋内椎骨動脈の動脈解離と診断できた.17病日のT2強調画像で示された隔壁はintimal flapと考えられ, 本症例はintimal flapがMRIで捉えられた貴重な症例であった.
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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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