脳卒中
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Pontine ischemic rarefactionの臨床的意義
狐野 一葉上田 祥博五島 幸隆川口 秀典中島 健二
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1997 年 19 巻 1 号 p. 40-45

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抄録

橋におけるMRIのT2強調画像上の両側対称性高信号は虚血性変化と考えられ, pontine ischemic rarefaction (PIR) と呼ばれている.我々は同じ虚血性変化である橋梗塞とPIRの臨床的な異同を検討した.橋に高信号を認めた者の中から両側対称性群 (BS群, N=42), 片側性群 (U群, N=20), 両側非対称群 (BA群, N=24) を選び, テント上の病変を比較した.また, 各群に関与する動脈硬化危険因子 (年齢, 性差, 高血圧, 耐糖能異常, 高脂血症) を調べた.テント上病変ではBS群はU群に比してperiventricular hyperintensityの程度が強かった.危険因子は, U群は他群に比べて, 男性に多く, 高血圧の合併が多く, 橋梗塞と考えた.BS群は他群に比して高齢の者に認められ, 高血圧症の合併が少なかった.BS群, すなわち, PIRは橋梗塞とは臨床的に明らかに異なる病変と考えられた.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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