抄録
臨床症状が24時間以上続き3週以内に消失したretrospectiveにいわゆるRINDと診断された症例22例のCT所見を分析し, その所見を正常群, 萎縮ないし硬塞群, 出血群に分類した.
3群の頻度はほぼ1 : 1 : 1であり出血性病変もかなりの頻度でいわゆるRINDの発症機転となっている.本論文では出血例について詳細に述べる.
さらに著者らはreversible ischemic neurological deficitに対応する名称として出血性のものに対してreversible hemorrhagic neurological deficicit, RHND, なる名称を提唱する.そして, この両者を含めた呼称としてLoeb, 大友, 亀山, 喜多村の提唱する完全回復性脳卒中 (Stroke with full recovery, SFR, or Apoplexy with full recovery, AFR) なる名称を支持する.