脳卒中
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Binswanger病における脳梁の変性と萎縮
羽生 春夫浅野 哲一櫻井 博文岩本 俊彦高崎 優
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1999 年 21 巻 3 号 p. 297-302

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抄録

Magnetization transfer(MT)法を用いてBinswanger病(BD)における脳梁の形態的特徴を明らかにし,大脳白質病変や知的機能障害との関連を検討した.BD群16例と健常老年者(C群)18例の脳梁面積を計測し,MTR{%,(Moff-Mon)×100/Moff;Moff,MonはMTパルス負荷前後の画像}を求め組織障害の程度の指標とした.BD群の脳梁面積は前部と後部で有意に小さく,特に前部はC群の約70%まで減少していた.MTRは前部,後部に加えて萎縮のみられない中部でも有意に低下し,髄鞘や軸索の変性,崩壊を含む組織学的変化が広範囲に生じていると考えられた.脳梁面積は近接する大脳白質病変(PVH)のMTRと有意に相関し,PVH病変による二次的な軸索変性が脳梁の萎縮へ発展すると考えられた.また脳梁前部の面積やMTRと改訂長谷川式スコアとの問には有意な相関がみられ,前頭葉白質病変と関連した脳梁前部の組織傷害が知的機能障害の発現に関連していることが示唆された.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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